第46回日前宮薪能
2025年4月9日 21時14分
歴史・文化 社会

第46回日前宮薪能が昨夜(4/8)、日前宮の神楽殿で開かれ、およそ600人が能の葵上(あおいのうえ)を見て幽玄の世界を楽しみました。

薪能が行われた日前宮

今回、紹介されたのは、光源氏の最初の妻で、物の怪に憑りつかれ寝込んでしまう『葵上(あおいのうえ)』です。そして梓弓(あずさゆみ)の音で霊を呼ぶ照日(てるひ)の巫女を招いて、物の怪の正体を明らかにすることになり、それは、光源氏の愛人である六条御息所(みやすどころ)の怨霊だったのです。

小聖(右)と御息所

葵上の魂を抜き取ろうとする御息所に対し、家臣たちは、修験者(しゅげんじゃ)の小聖(こひじり)を呼び、激しい戦いの末、御息所の怨霊は祈り伏せられ、心安らかになって成仏するのでした。

きょうは、観世流の能「葵上(あおいのうえ)」 とともに、大蔵流の狂言「寝音曲(ねおんぎょく)」が演じられ、会場の笑いを誘っていました。

また、日前宮では、火入れの儀などが行われ、紀俊崇(きい・としたか)さんは、「ほんのひと時ではございますが、幽玄の世界をゆっくりとお楽しみください」と述べました。

挨拶する紀さん