公益通報後に死亡で提訴、和歌山市の元職員の遺族が損害賠償求め
2025年6月12日 19時30分
事件・事故
和歌山市の不正支出問題を公益通報した職員が自殺したのは、市が安全配慮義務を怠ったためだとして、遺族が、およそ8800万円の損害賠償を求め、きょう(12日)、和歌山地方裁判所に裁判を起こしました。
訴えたのは、和歌山市の職員だった当時28歳の男性の両親です。
訴えなどによりますと、男性は2018年に、不正支出があった部署に異動し、書類の捏造(ねつぞう)を求められたことで心身に不調が出て休職したあと、公益通報を行いました。その後、不正支出問題で和歌山市は、当時の担当者ら十数人を処分し、男性は別の部署に復職したものの、処分を受けた上司と同じ部屋に配属されるなどし、男性は2020年に自殺しています。
両親は、公益通報のあと、和歌山市が一切、保護する措置を行わなかったことや、上司と同じ部屋にされたことなどが、安全配慮義務に違反すると主張しています。
尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は「訴状が届いていらず、現時点でコメントは差し控える」と話しています。