パンダは動物保護の象徴 「会える環境」教育的意義
2025年6月22日 11時55分
教育
社会
和歌山県のジャイアントパンダ全4頭が、今月(6月)28日、中国に返還され、東京・上野動物園の2頭も、来年(2026年)2月に貸与期限を迎える中、パンダに関する著作が多い、海外児童文学の翻訳家で作家の神戸万知(ごうど・まち)さんは、パンダは動物保護活動の象徴で、教育的意義からも「会いに行ける環境」を維持すべきだと訴えています。
神戸さんは、2012年、上野のパンダが生後6日で死んだニュースをきっかけに興味を持ち、白浜町のアドベンチャーワールドで翌月生まれた雌(メス)の名付け親企画に応募、自らの案の通り「優浜(ユウヒン)」と名付けられて以来、パンダが「生活の一部」といえるほどのファンになりました。
そして、パンダは、見ることで、「癒し」効果が注目されることが多いですが、多くの児童文学に触れてきた神戸さんによりますと、教育的役割も大きいといいます。子どもたちは、大人から絶滅危惧種について、文字だけで教えられてもピンときませんが、動物保護の象徴として扱われてきたパンダを見ることで「この動物がいなくなってしまうかもしれない」と感じることができるため、としています。
パンダは、保全活動により、個体の数を増やしつつありますが、依然として、国際自然保護連合の絶滅危惧種に指定されています。
神戸さんは、「国内でパンダがゼロになれば、子どもたちにとっては、見たことがない『知らない動物』になってしまう。写真や動画では伝わらない、本物がもたらすメッセージがあるはずだ」と話しています。