傷癒えぬ地元、怒り今も 「忘れたい」慰霊行事なく和歌山毒カレー事件27年
2025年7月25日 18時00分
事件・事故

和歌山市の夏祭り会場で4人が死亡し、63人が急性ヒ素中毒になった毒物カレー事件からきょうで27年となりました。

林真須美(はやし・ますみ)死刑囚64歳の判決は2009年に確定しましたが、裁判で詳しい動機は明らかにならず、本人は無罪を主張しています。

被害者は今も「怒りは薄れない」と強い思いを持っていますが、地元には事件を忘れたいという人もおり、ことしも慰霊行事はありませんでした。

きょう(25日)、和歌山市園部(そのべ)の現場は花も供えられず、ひっそりとしていました。

自治会の慰霊行事は10年以上開かれず、犠牲となった林大貴(はやし・ひろたか)さん当時10歳が通っていた小学校では給食にカレーが登場しなくなりました。

関係者によりますと、いずれも「事件を忘れたい」という声への配慮だということです。

高校2年だった長女がカレーを食べ、激しい嘔吐(おうと)や頭痛で一時入院したという現在78歳の男性は「何年たっても怒りは薄れない。食べ物に毒が入れられる事件はいつどこで起きてもおかしくない。事件を風化させてはいけない」と話しています。