和歌山県内経済「持ち直している」7月判断
2025年7月31日 18時37分
経済

近畿財務局・和歌山財務事務所は、2025年7月の和歌山県内の経済情勢について、生産活動は足踏みであるものの、個人消費は持ち直し、雇用情勢は緩やかに持ち直しているなどとして、全体的に「持ち直している」と判断し、前回・4月の判断を据え置きました。

項目別では、個人消費は、百貨店とスーパーの販売がインバウンド需要が減少している一方で、値上げの影響で客単価が上昇しています。ドラッグストアの販売は、物価高の影響で買い控えが見られますが、季節商品の売り上げが増えています。

観光は、ジャイアントパンダの返還前に旅館やホテルの予約が好調でお盆のピーク時と同じくらいの盛況となるなど、外国人・日本人ともに客数が増えています。

生産活動では、化学工業は上昇していますが、機械工業は低下していて、アメリカ関税措置が生産量に影響し始めているとの声も聞かれ、足踏みの状況です。

雇用情勢は、新規求人数は増加しているほか、有効求人倍率は概ね横ばいで推移していて、緩やかに持ち直しています。

設備投資は、今年度(2025年度)は全ての産業で前の年度を下回る見込みです。

企業収益は、今年度の経常利益が全ての産業で前の年度を下回る見込みです。景況判断は全ての産業で下降が上昇を上回っています。

和歌山財務事務所はこれらを総合的に判断して、7月の県内経済は「持ち直している」とし、今後の先行きについては「雇用や所得環境が改善するなかで、持ち直していくことが期待されるが、物価の上昇やアメリカの通商政策、金融資本市場の変動などの影響に注意する必要がある」としています。