60歳以上の従業員がいる県内企業の割合過去最多に
2025年8月22日 18時25分
経済 社会

和歌山のシンクタンク・和歌山社会経済研究所が、和歌山県内の企業2000社に行ったアンケート調査によりますと、回答した722の企業のうち、60歳以上の従業員が従事している企業が79・7%となり、過去最多となったことがわかりました。

調査は、ことし(2025年)5月30日から6月20日にかけて、県内の建設業・製造業・卸売業・小売業・サービス業のあわせて2000社に郵送で回答を求めたところ、36・1%にあたる722社から回答がありました。この中で、60歳以上の従業員を従事させている企業は、全ての産業をあわて79・7%と、過去最大になりました。

定年の年齢については、60歳としている企業が58・2%と最も多く、次いで65歳が34・3%となり、昨年度(2024年度)の調査と比べて60歳が減少し、65歳が増えました。

また、継続雇用制度を導入している企業は建設・製造・小売で9割を超えていて、その場合の年齢の上限を70歳としている企業が建設業で51・5%と特に多く、卸売と小売では65歳が多くなっています。

その一方で、新たに雇用した60歳以上の従業員はいるかどうかについては28・5%で、6年前・2019年の調査より11・6ポイント減少しています。理由については「内部人材を活用している」が9割で、ほとんどの企業が定年後も継続して雇用している実態が浮き彫りとなっています。

和歌山社会経済研究所では「高齢従業員に対して、経験やスキル、人手不足解消への貢献を期待する企業が多い一方で、安全や健康面での不安も課題となっている」と分析し、県内企業に対して、厚生労働省が提示する「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」や、中央労働災害防止協議会が定める「エイジアクション100」などを参考にしながら、より安全な職場環境の維持を求めています。