那智勝浦町で、最終となる熊野円卓会議/和歌山
2025年8月31日 13時24分
社会
今後の熊野地方のあり方などをテーマにしたシンポジウム「熊野円卓会議」が、きのう(30日)那智勝浦町で開かれ、100人以上が参加しました。これは、新宮市の有志でつくる「くまのビジョン」が、去年(2024年)12月の新宮市、今年3月の田辺市に続く第3回、最終回となりました。

第一部では、新宮市出身で大阪大学の学生、前田一成(まえだ・かずなり)さんと、新宮市にある近畿大学附属新宮高校の榎本幸喜(えのもと・こうき)さんが、那智勝浦町の人口動態についての研究発表を行い、高校を卒業した人や、成人を迎えた若者が町外に流出している現状などを報告しました。
第二部のパネルディスカッションでは、那智勝浦町の堀順一郎(ほり・じゅんいちろう)町長らが、持続可能な地域を作るためにはどうするかなどについて、意見交換しました。
那智勝浦町内から参加した60代の男性は「若い人たちのこういう活動には希望が持てる」と話し、新宮市の40代の男性は「この地域には多くの資源がある。見慣れたものにも価値があり、決して悲観する要素だけではないと思った」と話していました。
主催した「くまのビジョン」の上野潤(うえの・じゅん)さんは、「多くの方々にこの地域を考えてもらう機会になったと思う。答えを出すことが目的ではなく、これから一人一人が何らかの行動につなげていくことが大事だ。くまのビジョンも、新たな段階に進んでいかなれべばならない」と3回のシンポジウムを総括しました。