3号機には衛星4機搭載、2号機は機器異常、串本町の民間ロケット/和歌山・東京
2025年8月31日 21時15分
経済

東京の宇宙事業会社「スペースワン」は、きょう(31日)、串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊(きい)」で、発射準備を進めている小型ロケット「カイロス」3号機について、札幌市の宇宙ベンチャーなど、あわせて4機の衛星を搭載すると発表しました。これは、串本町で、この日、開かれた和歌山県主催の「宇宙シンポジウム」で明らかにしたものです。

打ち上げ時期について、スペースワンの豊田正和(とよだ・まさかず)社長は、シンポジウム後の記者会見で、「可能な限り早く」と述べましたが、具体的な日程については言及しませんでした。

会見では、去年(2024年)12月に打ち上げ、失敗したカイロス2号機について、センサーの不具合が原因だったとする調査結果も明らかにしました。

それによりますと、ロケットの1段目で、ノズルの角度を検知するセンサーや周辺の機器が不具合を起こしていたことが判明し、誤った信号が出されたことで、ノズルの動作に異常が生じ、機体の姿勢が乱れたということです。そして、高度およそ111キロに達したものの、ロケット自体の判断で、機体を破壊したといい、「3号機では設計の見直しを図り、慎重に準備を進めている」としました。

スペースワンによりますと、3号機には、札幌市のSpaceCubics(スペース・キュービックス)のほか、京都府のテラスペースなどによる衛星を搭載するということです。

スペースワンは、IHI(アイ・エイチ・アイ)エアロスペースなどの共同出資で、2018年に設立され、小型衛星を低コスト、かつ、高頻度で、宇宙に送り届ける「宇宙宅配便」の事業化を目指すとしています。

これまでに打ち上げた初号機と2号機は、いずれも失敗しています。