海南市「安政南海地震の記録と伝承」展・あす(5日)開会
2025年9月4日 17時46分
社会
江戸時代後期に紀伊半島沿岸に津波被害をもたらした安政の南海地震で、現在の海南市の当時の記録を綴った古文書や史跡の資料を展示する催しが、あす(9月5日)から、海南市日方の海南ノビノスで始まります。

これは、地元の市民らによる実行委員会が、海南市社会福祉協議会の協力で開催するものです。
安政の南海地震では、現在の広川町(ひろがわちょう)で、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)が稲わらに火を点けて村人に津波の襲来を知らせた「稲むらの火」の逸話があり、のちに「世界津波の日」の制定に繋がったことが国内や海外に広く知られていますが、海南市にも、当時の津波襲来のもようを黒江(くろえ)の漆器問屋が記録した「髙濤記(こうとうき)」や、名高(なたか)の商人が記した「末世之記録(まっせのきろく)」といった古文書が存在するほか、津波の襲来を知らせる犬の鳴き声に導かれた海南の人々が集まった熊野古道・汐見峠(しおみとうげ)の「呼び上げ地蔵」もあり、海南市の津波防災の象徴として、地元の住民らが伝承に努めています。
展示では、これらの古文書や呼び上げ地蔵に関する資料や写真を展示し、多くの人に改めて安政の南海地震の記憶を伝える内容となっています。
この展示会は、あす・9月5日金曜日から、9月11日・木曜日まで、海南市日方の海南ノビノス2階ギャラリーで開かれます。入場は無料です。