高野山へ「カヤ油」奉納、りら高校、150年ぶり/和歌山
2025年9月11日 17時17分
歴史・文化
教育
高野町の世界遺産、高野山真言宗・総本山金剛峯寺(こんごうぶじ)で、きのう(10日)、紀美野町の「りら創造芸術高校」の生徒が製油した「カヤ油」の奉納式が開かれました。
金剛峯寺などによりますと、紀美野町は、江戸時代頃まで、カヤの木の種子から採った油の製造で栄え、低温のもとでも固まりにくい特性から、住民らが高野山へ奉納していましたが、その後、安価な菜種油に替わられました。
奉納はおよそ150年ぶりということで、この日は、りら創造芸術高校の地域振興活動グループの会員6人が、山内の灯明用に、およそ0・5リットルを奉納しました。
グループは、去年(2024年)から、カヤの木から採油する、かつての技法を、地域の高齢者から聞き取るなどし、試行錯誤を重ね、製油にこぎ着けたものです。町内でも新たに起業し、商品化を目指す事業者も出てきているということです。
グループ代表で3年の塚田心華(つかだ・みはな)さんは「努力して取り組んだ成果として奉納できた」と喜んでいました。金剛峯寺の桐生俊雅(きりゅう・しゅんが)執行(しぎょう)総務部長は「無限の可能性を信じて、あらゆることに取り組んでほしい」と話しました。