和歌山市出身の元外務大臣、陸奥宗光(むつ・むねみつ)の功績を教育に活かそうと取り組んでいる実行委員会が、「国際情勢懇談会~わが国の外交情勢を知る~」と題して講演会を開きました。

今月(9月)6日の講演会では、外務省に勤務し、イスラエルやシンガポールで特命全権大使を務めた竹内春久(たけうち・はるひさ)さんが「平和と紛争、中高生へのメッセージ」と題して基調講演しました。
この中で、竹内さんは、陸奥宗光の行動から学ぶべきこととして、浮き沈みの激しい人生を行く不屈の精神、新しいものを取り込んでいく進取の気性、そして、世界の中で生きていく決意を挙げました。
そして、中高生へのメッセージとして、竹内さんは「3つのことを大切にしてほしい」と述べ、「1つ目に、目標を持つ。今の段階ではぼんやりしていても良い。2つ目に、知識、あるいは、考え方をどん欲に吸収してほしい。3つ目に、私たちには、学校や教室、ノートや鉛筆があるが、世界のあちらこちらには、ないところもある。学校が爆撃されてなくなったり、そうしたところをなくしていきたい」と述べました。
続いて、外務省の国内広報室・首席事務官を務める大澤暁(おおさわ・あきら)さんが「国際情勢を知るてがかり、広報文化外交」と題して講演しました。

2人に対する質疑応答も行われ、「ロシアが今後、どうしていったらよいか」という質問が寄せられると、大澤さんは、「力による現状変更は認められない。それは、ロシアにも理解してもらわないといけない。しかし、一方で、さくらの季節には、日本にロシア人が多い。ロシア人との友好関係は、続けていけばいい」と述べました。

参加した海南高校2年の男女は、「陸奥宗光はどんなことをして、周りから尊敬されているのかを知りたかった。まだ噛み切れていないところがあって、うまくまとめられないが、結構、深い話が聞けたと思う。歴史の勉強もできた」と話していました。

海南高校のボランティアサークル・JRCのメンバーが、ボランティアで舞台の転換などを手伝っていました。