13億円寄付遺言書、二審も有効、紀州のドン・ファン、大阪高裁/和歌山
2025年9月19日 18時30分
事件・事故

「紀州のドン・ファン」と呼ばれ、7年前に死亡した資産家の男性が、およそ13億円の遺産を田辺市に寄付するとした遺言書の有効性を市側と親族が争った裁判で、大阪高等裁判所はきょう(19日)、1審に続いて、遺言書を有効とする
判決を言い渡しました。

田辺市などによりますと、77歳だった資産家の野崎幸助(のざき・こうすけ)さんが、7年前に、急性覚醒剤中毒で死亡した後、「全財産を田辺市にキフする」と赤いペンで手書きした2013年2月8日付の遺言書が見つかりましたが、野崎さんの兄ら4人は、5年前に、遺言書の無効確認を求めて訴えを起こしました。

1審の和歌山地裁は、去年(2024年)6月の判決で、遺言書は有効と判断しましたが、何者かが遺言書を偽造した可能性があるなどと主張する親族側が控訴していました。

きょうの判決で大阪高裁の田中健治(たなか・けんじ)裁判長は、遺言書は野崎さんが、自分で書いたとみられると判断し、それ以外の人が作成した可能性は低いと結論付けて、1審の判決を支持し、親族側の控訴を退けました。

野崎さんの死亡をめぐっては、妻だった29歳の女性が、殺人などの罪で起訴されましたが、和歌山地裁が、去年12月に無罪判決を言い渡し、検察側が控訴しています。