落語から考える、平和と依存症/和歌山
2025年9月30日 18時15分
社会

アマチュア落語家のゴスペル亭パウロさんが、落語を使って平和と依存症の問題について語る催しがこのほど(9/27)、和歌山県立図書館のメディア・アート・ホールで開かれ、熱演し、100人以上が聞き入りました。

ゴスペル亭パウロさん

これは、公益財団法人・日本キリスト教婦人矯風会(きょうふうかい)が主催する公開落語会「落語から考えよう、平和と依存症の問題」で、パウロさんが2題を演じました。

このうち、1954年3月1日、太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁でアメリカが実施した水爆実験(広島原爆の1000倍の威力)によって、160キロメートル離れた公海で操業していた日本の木造マグロ漁船、第五福竜丸が死の灰を浴び、23人の漁船全員が被ばくした事件を題材にした落語では、第五福竜丸が実は、旧古座町で造船されたものであることを明らかにしました。

また、酒好きの男が、主人公の古典落語、「芝浜」を、地元版にした「和歌の浦の浜」では、噺の中に、和歌山の名産品を取り入れていて、親しみを持って聞くことができました。

日本キリスト教婦人矯風会和歌山グループの加門露(かもん・つゆ)代表は、「第五福竜丸の話は、放射能被爆の恐ろしさに気を付けて国の言いなりにならずに見ていかなければならない。もう一つの話は、いかに酒が働く意欲をなくさせるのか、人の意思を砕いてしまうのか、と思った。これからも社会の出来事を見ていかなければならない」と話しました。

パウロさんは、「依存症で苦しんでいる人や、平和を求めている人を代弁しようとしたら、熱がこもってきてあれだけの雰囲気になった。第五福竜丸は、その船の気持ちになって、お話をさせていただきました。次のテーマは、「ストップ・ザ・虐待」。一から勉強して作り上げなきゃならないと思っています」と意欲を見せていました。

100人を超える人が詰めかけた