和歌山市職員死亡、初弁論、市側争う姿勢
2025年9月30日 18時30分
政治 事件・事故

和歌山市の不正支出問題を公益通報した市の職員の男性が、5年前に自殺したのは、市の対応に問題があったためだとして、遺族が市に損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論がきょう(30日)、和歌山地裁で開かれました。市側は訴えを退けるよう求め、争う姿勢を示しました。

訴えなどによりますと、和歌山市の職員だった当時28歳の男性は、2018年5月に不正支出があった部署へ異動後、書類の捏造(ねつぞう)を求められたことで心身に不調が生じて休職し、この年の8月に公益通報しました。和歌山市は当時の担当者ら十数人を処分し、男性は別の部署に復職しましたが、処分を受けた職員が同じ部屋に配属されるなどして、2020年6月に自殺しました。

遺族は、市の対応に問題があったとして、市におよそ8800万円の損害賠償を求めています。

男性の母親は意見陳述で「息子は公益通報をして、不正行為を改めることに貢献したが、市から守られずに追い込まれた。公益通報者が真に守られる社会を築くため正義ある判決をお願いします」と訴えました。