光るイソギンチャク、みなべ町沖の群生地で激減/和歌山
2025年10月2日 17時45分
社会

光るイソギンチャクとして、ダイバーらに人気の希少生物「オオカワリギンチャク」が、みなべ町沖の群生域で、激減していることがわかりました。この群生域は、みなべ町の沖合3キロにある環境省が保全指定する「ショウガセ磯」です。

2025年9月撮影(写真提供・撮影:自然体験学習支援センター)

NPO法人・自然体験学習支援センターが、今年(2025年)7月から先月(9月)にかけて生息数を調査したところ、4年前には400個ほどあった個体が、3個に激減していたもので、この海域での絶滅を危惧するとしています。

2012年5月撮影(写真提供・撮影:田辺ダイビングサービス)

オオカワリギンチャクは、水深35メートルから100メートル程度の深海に生息するイソギンチャクの仲間で、県指定天然記念物となっています。体長は3センチ程度で、数十本の触手を持ち、これを広げると10センチほどになります。そして、クラゲの蛍光タンパク質と同じ種類の物質が体内にあることから、全身が明るいレモン色になるのが特徴で、触手を広げた姿は幻想的で「光るイソギンチャク」と呼ばれています。

2021年6月撮影(写真提供・撮影:自然体験学習支援センター)

センターによりますと、ショウガセ磯のオオカワリギンチャクは、2007年頃から徐々に減少し、2017年には極めて少なくなりましたが、その後、増加に転じました。しかし、去年(2024年)、著しく減少しているのがわかり、今年の調査では、絶滅を危惧する状態になっていたということです。

オオカワリギンチャクの生息域は、みなべ町沖から伊豆大島周辺で、ショウガセ磯は、唯一の群生地となっています。

なお、白浜町にある京都大学白浜水族館では飼育展示されていて、触手を広げて光る姿を見ることができます。