「アサギマダラ」日高町に飛来、秋告げる旅するチョウ/和歌山
2025年10月23日 18時54分
社会

海を渡るチョウや旅するチョウとして知られる「アサギマダラ」が、和歌山県内の飛来地の一つ、日高町の西山(にしやま)に姿を見せ始め、晴れた日を中心に、舞い飛ぶ姿が見られ、秋を告げています。

羽を広げるアサギマダラ(2025年10月20日/日高町・アサギマダラの谷)

アサギマダラが飛来しているのは、日高町西山の山頂広場から少し南西に下ったところにある「アサギマダラの谷」で、3年前から町が整備して、チョウが好むフジバカマの花を植えています。

花の蜜を吸うアサギマダラ(2025年10月20日/日高町・アサギマダラの谷)

担当者らによりますと、今年は気温が高かったためか、例年より10日ほど遅い、今月(10月)上旬頃から飛来し始めたということです。その後、徐々に数は増え、このところの晴れた日には、20から30の個体が、花の蜜を吸ったり、花の上をひらひらと舞い飛ぶ姿が見られるようになったということですが、まだ、飛来のピークには至っていないとみられています。

舞い飛ぶアサギマダラ(2025年10月20日/日高町・アサギマダラの谷)

アサギマダラは、羽(はね)を広げると10センチ前後になる大きなチョウで、羽の色は、名前の通り、浅葱色(あさぎいろ)=薄い青緑色で、黒や褐色の筋(すじ)模様があります。そして、春に南から北へ、秋には北から南へと、海を渡る大規模な季節移動をするチョウとして知られ、全国的に愛好家や観察者がいて、飛来地には、カメラマンなどが多く訪れ、その姿を写真や映像におさめています。

西山では、これまでも、秋を中心に多くの飛来が確認されているほか、マーキングなどによる観察も盛んで、2011年10月には、西山から放たれたチョウが
高知県を経由して、香港で確認され、最長移動距離として、およそ2500キロが記録されています。

また、昨シーズンの飛来のピーク時には、100から200の個体が乱舞する幻想的な景色が見られたということです。