利用者数の著しい減少で存続の可否が課題となっている、JR紀勢線の白浜・新宮間の利用者増をはかろうと、JR西日本・和歌山支社は、和歌山県や沿線の自治体などと連携して、きょう(11月4日)から、特急くろしお号1往復を増便する実証実験をスタートしました。
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増便されるのは、新大阪発新宮行きのくろしお5号と、新宮発新大阪行きのくろしお30号で、いずれも、普段は金曜日と土日祝日の運行を、平日の月曜から木曜にも追加するものです。
JR西日本によりますと、紀勢線の白浜・新宮間の輸送密度は、昨年度(2024年度)は1日あたり960人と、路線の維持の目安となる2千人を大きく下回り、100円の収入を得るのに650円の経費がかかる計算になっていて、存続の可否が課題となり、JRでは和歌山県や沿線の市町村と協議を始めています。
このことを踏まえて、JRでは国の補助事業を活用して、新宮・白浜間の利用者数を増やすため、この区間を走る特急くろしお号を1往復増便する実証実験を開始したものです。
けさ、JR和歌山駅のホームで増便開始セレモニーが開かれ、和歌山県の宮﨑泉(みやざき・いずみ)知事とJR西日本・和歌山支社の富澤五月(とみざわ・さつき)支社長がテープカットで祝福しました。
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宮﨑知事は「一番利用者数が少ないといわれる新宮・白浜間を、沿線の市町村長とも協力しながら、利用者数を増やしたい。とくにインバウンドの利用も確実に増やしたい」と述べ、沿線の観光資源の発信に力を入れる方針を改めて示しました。

JR西日本・和歌山支社の富澤支社長は「観光に便利な時間帯に設定しているので、是非利用して欲しい。厳しい利用状況だが、JRも沿線の魅力発信に力を入れていく」と話しています。
JRでは輸送密度2000人を達成するため、2007年度の特急利用者数・1927人を目標に、実証実験を今年度末まで行う予定で、これに併せて自治体や和歌山大学などと連携して利用促進策を展開する予定です。そして、国の動向や沿線自治体などの意見などを踏まえて、次の年度(2026年度)に延長する可能性も示しています。