人口集中地でドローン配送、レベル3・5実験、国内初/和歌山
2025年11月4日 18時23分
社会
交通
一定の条件下で、地上に補助者を置かず、ドローンを目視外で飛ばす「レベル3・5」の形態による物資配送の実証実験が、きょう(4日)、和歌山市の人口集中地区と山間部を結ぶ経路で実施されました。国土交通省によりますと、人口集中地区を含むルートで、このレベルの実験が実施されるのは、全国で初めてということです。
今回の実験は、和歌山市がスマートシティーに関係する補助金を使って実施したもので、ドローン関連事業を手がける山梨県のネクストデリバリーが運航し、人口集中地区にある和歌山市の病院から、およそ4キロ離れた山間部の道の駅に弁当を配送しました。ドローンは、弁当を無事に届け、往復およそ20分かけて帰着しました。
ネクストデリバリーの田路圭輔(とうじ・けいすけ)代表取締役は、「過疎地の物流という課題に解決策を示す良い事例となった。他の自治体でも展開していきたい」と話しました。
中山間地や過疎地は、物流の担い手が不足していて、ドローンによる食料品や日用品の配送が期待されています。レベル3・5の飛行制度は、おととし(2023年)新設され、機体認証など厳しい条件を求めるレベル4よりも運用コストが低減されるということです。
国交省によりますと、レベル3・5は、原則無人地帯の飛行を想定していますが、今回の経路は、人口集中地区の範囲が限られ、十分に安全が確保できるとして認められました。