田辺市の公衆浴場で、基準値超えるレジオネラ菌/和歌山
2025年11月6日 17時42分
福祉・医療

田辺市の本宮(ほんぐう)福祉総合センター内の公衆浴場で、男女両方の浴槽から、基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されました。定期水質検査でわかったもので、田辺保健所に届けるとともに、当面、施設を臨時休業としました。これまでのところ、体調不良などを訴える利用者はいないということです。

基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたのは、田辺市本宮町の本宮福祉総合センター・うらら館の温泉入浴施設「蘇生(そせい)の湯(ゆ)」です。

年に1度の定期水質検査のため、先月(10月)20日に、浴室から採取した温泉水を水質検査機関に送り、分析を依頼したところ、今月(11月)4日に、検査機関から基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたと報告があったということです。検出された量は、男性用の浴槽で基準値の12倍、女性用の浴槽は基準値の7倍となっています。

レジオネラ属菌は、免疫力の弱い新生児や高齢者が感染すると、レジオネラ症という肺炎や高熱を発症することがあるということです。

田辺市の本宮行政局によりますと、温泉施設は、世界遺産・熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)に近い場所にありますが、観光客向けの温泉施設というより、住民の交流の場となっていて、1日の利用者は20人から30人程度と
いうことです。市では、最近施設を利用した人で、体調に異常がある場合は、市に連絡するとともに、すぐに医療機関を受診するよう呼びかけています。

そして、「蘇生の湯」は、保健所の指導のもと、清掃や消毒などの対策を実施し、再検査による安全性が確認されるまで、当面の間、営業を中止するとしています。

田辺市の真砂充敏(まなご・みつとし)市長は、「心配をかけたことを深くお詫びする」とした上で、「今後も安心してご利用いただけるよう、田辺保健所の指示に従い、適切な管理を徹底してまいります」というコメントを発表しました。