目の不自由な子どもが 難民に古着を届ける取り組み、和歌山盲学校で
2025年11月21日 19時40分
教育 社会

子ども服の古着を回収して、難民に届けるプロジェクトに参加している県立和歌山盲学校で、このほど(11/16)、衣料品量販店の店員を迎えた授業の中で、生徒が古着272枚を、たたむ作業が行われました。

左は久井店長、右は長井教諭、4人の生徒。

これは、和歌山盲学校が、参加するユニクロGUの「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」の一環で行われたものです。この日は、GU和歌山永穂(なんご)店からスタッフに授業に来てもらい、古着を受け取った難民の子どもたちが喜ぶ様子を想像しながら、丁寧に衣服をたたむ方法や、視覚障害の人が苦手とする衣服のコーディネートのポイントを学びました。

授業を受けたのは、中等部・高等部の生徒で、キレイにたたむとたくさん入ることや、衣服をたたむ際、背中にバインダーを入れると、畳みやすくなることなどを学んでいました。

授業を行う久井さん。

また、コーディネートでは、一般的に、色は、3色までにとどめ、色の割合は、5対4対1にすることや、デニムのジーンズと、黒色の綿(メン)のTシャツといった組み合わせも教わりました。

生徒は、木下さんと髙嶋さん。

高等部2年の木下叶翔(きのした・かのと)さんと、中学部3年の森下心音(もりした・ここね)さんは、「久しぶりに服をたたみましたが、キレイな畳み方ができたと思う」「大変だったけど、頑張れた」と話し、高等部3年の髙嶋香奈(たかしま・かな)さんと、𡧃戸蘭(うと・らん)さんは、「難民の方に、いい気持ちで着てもらえたらと思い、心を込めて畳みました」「今回、集めた服が、難民の人に届いたら良いと思う」と話していました。

生徒は、森下さんと𡧃戸さん。

株式会社ジーユー和歌山永穂(なんご)店の、久井絵理子(ひさい・えりこ)店長は、「これだけ集めてくれて、キレイに畳んで贈りたいという生徒の気持ちがうれしい。難民キャンプは、子どもが多いのでたくさんの子どもに届けられると嬉しい」と話しました。

一生懸命、古着をたたむ。

和歌山県立和歌山盲学校でこのプロジェクトの担当をしている家庭科の長井恵李(ながい・えり)教諭は、「難民キャンプには、一定程度いる目の不自由な子が、自分で服を選べるようになるとか、手触りで確認してもらえばと思っている」と話しました。

古着は今月26日に、小学部の児童が箱に詰め発送します。