地元・和歌山が生んだ作家、有吉佐和子の傑作ミステリー『悪女について』をテーマにした読書会がこのほど(今月・7月10日)、和歌山大学で開かれました。

この催しは、和歌山大学の有志でつくる書評「リトルネロ」編集委員会と、和歌山大学図書館が共催して開いたもので、2023年11月から毎年2回程度開いていて、今回が6回目です。
この作品は、謎の死を遂げた美貌の女実業家の生涯を、27人の関係者の証言によって追う物語で、証言者によってその人物像が、全く異なって見えるという重層的な構成を通じて、作品の核心に迫ります。

今回の読書会は、和歌山大学西3号館・3階の会議室で行われ、あわせて17人が、4つのグループを作り、それぞれ教員と、一般参加者を入れて行われました。

参加した男性は、「僕が読んだその第一印象の後、先生の意見が全然違うのがすごく新鮮だなと思いました。主人公の公子(きみこ)は、生き当たりばったりな適当な人なんじゃないかとか、新鮮な意見だなと思いました」と話しました。
和歌山大学経済学部の藤木剛康(ふじき・たけやす)さんは、「本を読むのは楽しいことですよということを学生のときに感じてほしい。国語教育では、短い文章しか読めず、本1冊を読んで議論することはないと思うので、そういう読み方もあるんだよってことを、一緒に議論しながら勉強していきたい。今日は4つの答えが出たが、それはいいことで、参加者全員それぞれの読み方はあって当然だと思います。年2回開いているので、これからも、是非、議論して楽しみましょう」と語りました。
今回の読書会は、「読む力」を鍛えることに重点を置いているのが特徴で、欧米の教育現場でも取り入れられている手法を用い、「設定」「登場人物」「プロット」といった物語の構成要素を論理的にたどることで、作者が伝えたい「テーマ」を深く読み解く体験が提供されました。