紀州東照宮の例大祭「和歌祭(わかまつり)」の始まりを町じゅうに知らせる「鉦(かね)おろし」の神事が、けさ（１日）東照宮の楼門前(ろうもんまえ)で行われました。

鉦おろしの神事は、毎年５月１日の午前８時に行われ、鉦と太鼓の音を合図に、お膝元の和歌浦の人々が本格的に祭の準備を始めるものです。

ことしは、雨の中、鉦と太鼓を担当するグループのおよそ１５人が集まり、日本遺産の「和歌の浦」を見下ろす東照宮の楼門前で、鉦と太鼓を高らかに打ち鳴らし、今月１５日に行われる和歌祭の始まりを知らせました。グループは演奏を終えると、早速、装束の手配を始めるなど、準備に余念が無い様子でした。

鉦と太鼓のグループのリーダー・木村純生(きむら・すみお)さん６２歳は「鉦おろしは祭の開始を告げる大事な神事です。きょうは一定のリズムでしたが、神輿が東照宮の石段を下るときはテンポを上げて気分を高揚させます。ことしは四百年の節目ですが、普段通り、無事に祭が行われるよう努めます」と話していました。

きょうはこのほか、和歌浦漁港の直売施設「おっとっと広場」に和歌祭のブースが出展したほか、和歌山市駅ビル「キーノ和歌山」で鉦と太鼓の実演が行われました。

今年の和歌祭は、今月１５日に行われ、東照宮の急峻な石段での勇壮な「神輿おろし」や、和歌山城周辺での「渡御行列」で最高潮を迎えます。四百年の節目となる今年は、特別ゲストに、時代劇「暴れん坊将軍」で主役の徳川吉宗(よしむね)を演じた、俳優の松平健(まつだいら・けん)さんを迎え、紀州藩の大名行列の一部が再現されます。

和歌祭は、徳川家康(とくがわ・いえやす)と、紀州徳川家初代藩主・頼宣(よりのぶ)をまつる、和歌山市和歌浦(わかうら)の紀州東照宮の例大祭で、東照宮創建翌年の１６２２年に始まりました。