12月8日に土星食、各地で観察会も/和歌山
2024年12月1日 15時40分
教育 社会

今月(12月)8日の宵(よい)に、上弦(じょうげん)に近い半月(はんげつ)に土星が隠される「土星食(どせいしょく)」があり、日本海側などの一部を除き、日本の広い範囲で見ることができます。土星食は、土星の前を月が横切り、土星が隠される現象で、紀美野町のみさと天文台によりますと、和歌山で日没後に見られる土星食はおよそ23年ぶりということです。

土星食は、12月8日、南の中空(ちゅうくう)で見られ、和歌山市では、日没のおよそ1時間半後、空がすっかり暗くなる午後6時19分頃から、半月の左上近くにある土星が月の光っていない側・暗い縁から2分ほどかけて隠されていき、午後6時45分頃から、今度は、月の明るい縁から2分ほどかけて、姿を現します。

なお、観察する場所によって、隠される時間などは違い、串本町の場合、土星は、午後6時14分頃から月に隠され、午後6時50分頃から出現します。

和歌山での土星食の大体の見え方のイメージ(土星は、半月の左上で隠され、右側から現れる)

また、恒星に比べると惑星は地球に近いので、望遠鏡などを使うと、色や形などを観察でき、特に土星は、輪を持った美しい星として知られています。このため、土星食を望遠鏡などで観察すると、土星が、輪から徐々に月に隠されていき、また、徐々に姿を現す様子などを見ることができるかもしれません。

肉眼でも、月の左上に接近して、0等級と明るく輝いていた土星が、月に隠されて見えなくなり、しばらく後、今度は、月の右側で、再び光り始めるようすが見られそうです。

そして、今回の土星食は、時間帯や見える場所など、観察しやすい条件がそろっていることから、各地で観察会が開かれます。和歌山市の市立こども科学館では、和歌山市坊主丁(ぼうずちょう)の大新(だいしん)公園で、子どもとその保護者を対象に、午後6時から、有田川町天文クラブでは、有田川町吉原(よしはら)の金屋(かなや)テニス公園の南にある「ほしみ広場」で、午後7時から、また、那智勝浦町南大居(みなみおおい)の交流センター・太田の郷(おおたのさと)で、午後5時から、それぞれ開催されます。紀美野町のみさと天文台でも、有料の観察会がありますが、すでにチケットは完売しています。

なお、次に、和歌山で、夜間に土星食が見られるのは、13年後の2037年2月2日となります。